売上目標の立て方

1 売上目標設定のポイント

目標利益を獲得するために、目標売上高を設定しなければなりません。目標売上高を下記の流れにより設定します。

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(1)中期経営計画で設定されている売上高
中期経営計画で計画している場合は、中期経営計画で設定されている売上高目標を確認し、年度経営計画の基礎数値とします。

(2) 営業担当部門で計画する売上高
① 市場状況と自社の実態の把握
  計画の策定に当たって、まず、自社の販売計画の検討と企業をとり巻く外部環境を把握します。
   
② 自社の販売実績の検討
 ● 市場別(地域別、販売経路別、得意先別)販売実績の検討
 ● 製品(群)別販売実績の検討
 ● 部門別(グループ別、担当者別)販売実績の検討

③ 外部環境の把握
  景気動向、為替変動、業界・他社の動き等、次期の売上に影響を与える要因について分析し、これらの要因に対する対応を予算編成に組み込む。
   
④ 販売単価、販売数量を検討する
  売上高計画の策定においては、販売単価、販売数量を検討します。なお、販売数量は仕入計画、生産計画を立てるうえでも重要です。
   
⑤ 新規拡大目標を設定する
  成熟していて、競争も厳しい市場であっても、衰退産業でなければ常に新規拡大目標を掲げ、事業の活気を喚起しなければなりません。
   
(3) 獲得したい、必要とする売上高
① 総資本利益率による方法
  この方法は、企業が一定期間に獲得しなければならない利益は、使用した資本が獲得すべき果実であるとの考え方に立っています。目標とする総資本利益率を満足させる利益を獲得できるだけの売上高をもって目標売上高とするものです。
 
 
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② 損益分岐点公式による方法
  目標利益、限界利益率、固定費を決め、損益分岐点公式によって、目標利益を確保するための必要売上高を算出します。
   
 
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  なお、目標利益を決める際、下記の業界資料等を参考にすると、目標設定に客観性を持たせることができます。
   
  【一人当たり経常利益】
                           (単位:千円)
                  黒字企業平均  優良企業平均
      建設業 平均        636       1,848
      製造業 平均        876       2,328
      卸売業 平均       1,056       3,204
      小売業 平均        408       1,440
      飲食店 平均        204        792
    サービス業 平均        684       1,416
      全業種 平均        660       1,908

  【変動費率】
(単位:%)
                  黒字企業平均  優良企業平均
      建設業 平均        64.1       59.1
      製造業 平均        55.0       49.4
      卸売業 平均        80.1       75.5
      小売業 平均        69.4       63.9
      飲食店 平均        34.1       35.5
    サービス業 平均        59.0        63.5
全業種 平均 59.7 53.3

資料出所:TKC経営指標 BAST 平成20年指標版

   
③ 労働分配率から求める方法
  労働分配率とは、限界利益の中に占める人件費の割合である。目標とする労働分配率以下にするために必要な限界利益をまず求め、次にその限界利益を得るために必要な売上高を算出します。
 
                人件費
労働分配率=     -------------
                限界利益

     限界利益=目標売上高×(1-変動費率)

   
【参考】
  【一人当たり人件費】
(単位:千円)
                黒字企業平均  優良企業平均
      建設業 平均     4,812       5,736
      製造業 平均     4,500       5,508
      卸売業 平均     4,812       5,916
      小売業 平均     3,384       4,512
      飲食店 平均     2,496       3,504
    サービス業 平均    3,156       3,936
      全業種 平均     4,152       5,412

         資料出所:TKC経営指標 BAST 平成20年指標版


2 目標売上高の細分化計画(販売計画)


必要とされる売上高が決まれば、次はこの売上をどう獲得するかということになります。売上高目標を達成するための具体的行動計画が販売計画です。
この販売計画を端的に言うと、
● どの商品を
● どの顧客へ
● だれが
● いつ
● どんな方法で
● いくらで

売るのかを計画し、スケジュール化することです。
年度販売計画において特に留意する点は、
● 確実に見込める売上げ
● 期待できない売上げ

を峻別することです。

(1)どの商品を~商品別に売上目標を決める
商品ライン、商品アイテム、利益貢献度等を勘案しながら、目標売上高を達成できるように商品別に売上目標を決める。

(2)どの顧客へ~得意先別に売上目標を決める
ABC分析の活用により重点顧客や育成顧客等を明らかにし、目標売上高を達成できるように顧客別に売上目標を決める。

(3)誰が~担当者別に売上目標を決める
目標売上高を達成できるように部課別、営業所別、担当者別に売上目標を決める。

(4)いつ~月別に売上目標を決める
季節要因等を考慮して月別に売上目標を立てる。このことにより、得意先別・製品別の季節変動や自社の販売政策を計画に反映できるだけでなく、月次ベースで計画と実績の差異を把握することができます。

(5) どんな方法で~販売促進方法を工夫する
商品別、得意先別、担当者別、月別に細分化された売上計画を具体的に推進し、実行するための活動計画が販売促進計画です。
具体的には、以下の活動が実施されることになります。
● 営業担当者  ⇒ 販売キャンペーン、CS運動等
● 広告、宣伝  ⇒ チラシ、新聞・雑誌、ポスター、テレビ、インターネット等
● 販売促進  ⇒ 催事・展示会、特売セール、景品付販売、割引クーポン、
             店頭デモ、クイズキャンペーン、試食・試飲等

(6)いくらで~販売価格を決める
競争や原価を念頭に置き、定価政策、低価格政策、高価格政策等の価格政策を考えます。


3 販売費予算の立て方

販売計画が決まった後、販売活動を支えるために必要な販売費予算を組みます。販売費予算には、変動的なものと固定的なものがあり、組み立て方も異なる点に留意が必要です。

(1)販売変動費
物流費が主で、科目数も多くありませんが、販売活動に伴って発生し売上高に対する比率もほぼ決まっていることから、現状維持になりやすいものです。したがって、たとえ0.1%でも引き下げる意識的な努力が必要です。

(2) 販売固定費
販売固定費は、他の固定費と同様にゼロベースで、利益への貢献度合いを基準に個別に検討され、積み上げられるべきです。
  【売上計画と販売計画のプロセス】

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参考

【売上計画設定シート】
             (単位:千円)
                前年実績
    売上高       1,212,560



                前年実績    増減率    当期計画
既存顧客売上※      1,212,560    -5.0%    1,151,900
新規顧客売上          -       -       100,000
合 計 1,212,560 3.2% 1,251,900

※ 既存の顧客だけで前年の売上を維持できるのであれば、その伸び率を、できないのであれば、減少率を入れてください。


【得意先別売上計画】

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【商品別売上計画】

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